2012年6月24日日曜日

旧芝離宮恩賜庭園

旧芝離宮恩賜庭園


小石川後楽園と共に、今東京に残る江戸初期の大名庭園の一つです。回遊式泉水庭園の特徴をよくあらわした庭園で、池を中心とした庭園の区画や石の配置は、非常に優れています。
 明暦(1655~1658年)の頃に海面を埋め立てた土地を、延宝6年(1678年)に老中・大久保忠朝が4代将軍家綱から拝領しました。
 忠朝は屋敷を建てるにあたり、藩地の小田原から庭師を呼び庭園を造ったと言われています。庭園は「楽壽園」と呼ばれていました。

庭園は、幾人かの所有者を経たのち、幕末頃は紀州徳川家の芝御屋敷となりました。明治4年には有栖川宮家の所有となり、同8年に宮内省が買上げ、翌9年に芝離宮となりました。離宮は、大正12年の関東大震災の際に建物や樹木に大変な被害を受けました。
 翌年の大正13年1月には、皇太子(昭和天皇)のご成婚記念として東京市に下賜され、園地の復旧と整備を施し、同年4月に一般公開しました。また、昭和54年6月には、文化財保護法による国の「名勝」に指定されました。



(東京都公園協会より引用)


梅雨の時期の晴れた土曜日。混んでいる電車から浜松町へおりて庭園に入る。iPodとサングラスをとり静寂の中に突入する。庭園にはほとんど人がいない。安心した反面、少し寂しくもなる。
東京のオフィス街にあるとは思えないほどの大きさで、ひっそり、しかし荘厳に構える庭園。


写真を撮るときに気づいたのは、後ろの大きなビル群だ。
その庭園の存在の仕方が今の日本のあるべき姿を映し出しているようであった。
古き良きものを温存しながら、新しい物を取り入れる。この古いものと新しいもののコントラストによって、また新しい風景を手に入れる。


戦後日本が行ってきたことは、私は間違っていないと思う。
ただ、最近感じることは、日本は新しいもの、西洋のものを取り入れようとしすぎて
古き良きものを捨ててしまっているのではないかということだ。
それは西洋と日本の対比だけではない。
アナログとデジタルの対比でもあるのだ。


ディズニーランドに象徴されるように、完璧な世界を作り上げ、外の背景を全て切り取ってしまうのではなく、外の風景も背景として取り入れる。そして自分が持っているものを融合させる。
それが島の国日本だからできることで、日本の想像力の源泉なのではないだろうか。


右翼ではないが、日本には日本の良さがあるということは誰も日本人が認識していることだ。
だから西洋の良さと日本の良さを組み合わせる。
伝統的なものと新しく開発された物を組み合わせる。


庭園のように、美しい庭園の上には壮大に存在するビル群。この一見奇妙に思えるような風景が、今の日本で重要視されるべきではないのか。


たまたまラストサムライを見て、思わず感動してしまった。
その中の台詞の一つ。
we cannot forget who we are and where we come from.


もしかしたら客観的に日本を見る人には、
何が日本に今必要なのかがわかっているのかもしれない。










雀が水を飲み、飛び立つ姿。
鯉が食べものを待ち、口をぱくぱくする。
人が風景のきれいさに息をのむ姿。


東京で何度この風景を見ただろう。
庭園は、東京の真ん中に何個も存在する。


庭園めぐり。
古き良きものを知りたい時も、自分を考える時間として物思いにふけるときも
ぜひ庭園に行ってみてもらいたい。

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